白無垢の行者衣束に数珠を掛け、手甲脚絆もものものしく、白足袋に白鉢巻、額にはズラリとお札が並んでいる。
「目立たぬようにと言ったって、キミ・・・ところで、こんな道具をナゼ持っているんだね。
変わった趣味だな」
「趣味なんかじゃありません。
ボクは異界とのメッセンジャーなのです」
服部シェフは、嵌りきった平たい声で言った。
(プリズンホテル1夏 浅田次郎著)
背もたれに座っていると、人の体温と湿気と押さえつけにより、衣類がシワになってしまう。
「シワが目立たぬように・・・しわ取りスプレーという画期的な道具があるのだが」
「問題は、スプレーすると、素材により輪染みが出現してしまうことかな」
「それなら、輪染みを馴染みの染み抜き剤により無くしてしまおう」
風間シェフは、バリトン・・・いや、タンバリンのような平たい声で言った。
(しわ取りスプレーで出現した輪染みの染み抜き かざまクリーニング著)
福島県会津坂下町 かざまクリーニング
衿黄変の染み抜きや脱色を色修正する荒野の3人 とっとこシミ太郎