「愛論百科」執筆の中島氏から、以下の文章が届きました。
どうぞ、お召し上がり下さい。
深層心理学
不況のためか悪い奴が増えているようで、外出には危険が伴いますが『家に居れば安心です！』とは限りません。先日の夕方、家に居たらチャイムが鳴ったので「はい、どなたですか？」と声を掛けます。
「真に申し訳ありませんが、ご近所のお宅の工事をするために明日の朝から夕方まで騒音が出るので、ご迷惑とは存じますが宜しくお願いします」と相手の男性は静かで丁寧にいうのです。
ですから、「かなりうるさくなりますか？」と聞くと、「なるべくご迷惑にならないように努力をいたします。申し訳ありません」というから、「ご丁寧に、わざわざご苦労様です」となりました。
それで「最近は、工事をするにも気を使わなければならないから、一軒ずつ丁寧な言葉で挨拶回りをするだけでも大変だよなぁ」と感心しながら妻に声を掛けているときに、また、チャイムが鳴りました。
で、「はいっ、なんでしょうか？」というと、「先ほどの者ですが、お宅様の二階の雨樋が曲がっていますから、お早目にお手入れをなさった方が宜しいかと思いまして･･」というのです。
「ご親切にありがとう。でも、知り合いに大工さんが居るから、壊れたらその人にお願いするので･･」というと、「私共でも、お安くさせて頂きますし･･」と相手は熱心に勧めましたがお断りしました。
翌日、近所に工事などは何処も行っておらず、雨樋も壊れていません。もしかして、一回目のチャイムで親切な業者を装って人間性を売り込み、二度目のチャイムが本来の目的であったのではないでしょうか。
今更、確かめることは出来ませんが、私の推理では、断られ続けた営業マンが必死に考えた人間心理の奥底をつく新手の営業戦略に思えて、顔も知らない人に商売のコツを教えてもらったような気分です。
掃 除 機
先日、パソコンを打っている時に電話がかかって、「奥様は居られますか？」というから「今、手が離せないようなので、私がお聞きします」と怪しい売り込みの電話と思うから警戒しながら答えました。
すると、「毛布でも布団でも、一枚２００円の大サービスで洗って差し上げますから、一度、お試しいただけませんか」というではありませんか。
ですから、「随分と安いですが、綺麗に洗ってくれるのでしょうか」と聞くと、「お宅様にお伺いして、ほんの１時間ほどで綺麗になるんです」というのです。
「では、自動車に大きな洗濯機を積み込んで私の家の近所で洗ってくれるのですか？」と聞いたら、「そうではなくて、お宅の家のお布団を、直接きれいに仕上げるんです」といいます。
「もしかして、洗濯機で洗うのではなく、強力な掃除機でダニまで吸引するというものを、家に上がって直接テストする会社でしょうか」と警戒しながら質問します。
すると「はい、みのもんたのテレビでも、ダニを退治することが健康を維持するために大切と言ってますでしょう」とマニュアルがあると見えて実にスムースに答えるのです。
ですから、「もしかして、その強力な掃除機は、強力すぎて品物まで持ち上げるから使いにくいのに、外国製で値段が馬鹿高いという評判の怪しい品物でしょうか」と素朴な質問をしました。
そしたら、何の返事もしないで電話を切られてしまいましたが、私は、何か失礼なことを喋ったのでしょうか？。このごろ、「自分で気がつかないところで嫌われているかも？」と気になる私です。
一句
掃除機に 老後の資金 吸い取られ
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- 『同志少女よ敵を撃て』逢坂冬馬著 - 2024年11月17日
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