灰色で、黒く斑点のある蚕の姿を、秦檜は思い出した。
それが旺盛に桑の葉を食うさまは、いささか薄気味悪く、好きになれないものだった。
しかし、繭を作る。
そして、生糸がとれる。
生産とは、不思議なものだった。
桑の葉だけでは、価値がない。
蚕だけなら、踏み潰したいようなものだ。
その二つから生糸をとるなどということを、誰が考え出したのだろうか。
(北方謙三著 岳飛伝第十二巻 飄風の章)
その絹で作られたジャケット。
20年前に着用していたが、ずーとタンスに仕舞っておいたらしい。
デザインが気に入っているので、もう一度着用したいとのこと。
人とは、不思議なものだ。
いくら洋服がたくさんあっても、着用したいと思わなければ、その人にとっては『価値』がないのと同じだ。
染みも古くなると、『カチ』ン・コチンになったりするので、柔軟に対応しないと・・・
(かざまクリーニング著 20年前着ていた絹ジャケットに多数の黄変)
福島県会津坂下町 かざまクリーニング
色修正ができるクリーニング3店舗 とっとこシミ太郎