タイトルなし

心優しい愛論百科執筆者の中島さんから、巷で話題になっているインコちゃんのテーマで、メールが届きました。なお、この愛論百科作成日は、平成7年4月18日です。

では、どうぞご覧下さい。

ピ ー 介

 時々、"愛論百科”に登場する我が家のペット『ピー介君』が、ここ数日、ほとんど餌を食べず、『ぐったり』しています。この分では余命短しと私たち家族は悲しい日々を過ごしております。

 ピー介は、昭和58年(1983)2月19日、荏原町の小鳥やさんで購入しました。寿命は7~8年と言われるセキセイインコなのに12年以上も生きて、人間で言えば120才を超す・・?長命だそうです。

 体重は、私の千分の一ほどの小さいインコとは言え、12年も一緒に生活していると家族同様の存在になっていて、毎日のピー介の元気な姿が私達家族の励みにもなっているのです。

 セキセイインコは、飼い主が根気良く言葉を教えるとしゃべる様になります。ピー介も百を超える言葉を話しましたが、最近は、高齢のためか日中も眠っていることが多く喋ることがかなり減っています。

家 族

 ピー介が迷子に成らない様に、住所と電話番号と家族の名前も教えて、あまりに沢山の言葉を覚えすぎて「川上カラ、オジイサンガ、ドンブラコー、ドンブラコ」と、むかし話しがごっちゃになるほどでした。

 ピー介は、ヒナで購入したときから今まで、毎朝、必ず8時30分に起こし、夜8時に寝かせました。
 ピー介の部屋にある私のパソコンも、当然、その時間に成ると『ピー介優先』でお仕舞いです。夜中に打つことの出来ないお蔭で、私はパソコンを短時間に集中的に打つコツをマスターしたのです。

 ですから、私達がうっかりしていても、夜8時に成ると「ピー介!」「ピー介くん!」「ピキオ君!」「ピーチャ~ン!!」と、大声で私達を呼び、自分の眠る時間を知らせるのです。

 多摩川にも、長野にも、那須にも一緒に連れて行きました。私が家に居るときは、何時もピー介のカゴを私の脇に置き一緒に遊びました。ですから、寂しがりやのピー介は、私達の姿が見えないと「ピィー!」「オイデェ~!!」とカン高い声で鳴き、そばに居てほしいとせがんだのです。

 ペットは家族の雰囲気を敏感に感じ取ります。家族がゆううつな日にはピー介もおとなしく、明るく楽しい日には皆と一緒になって喜び、大声で笑い、はしゃいでくれるのです。

 ピー介は、ヒナの時に風邪で田園調布の小鳥の病院に行きました。病院には、『中島ピースケ』のカルテも有ります。最近も、3年ほど前から右足が少し腫れて痛むので病院通いをしているのです。

 右足が痛いために、一本で立っている左足に負担が掛かるので、ピー介は必死に知恵を働かせ、餌箱の中に体を入れ、頭と胸とおなかを腹這いにして足への負担を軽くしているのです。

 ここ数日、ピー介は食欲も有りません。うつ伏せになったまま、じっと痛みを堪えている様にも見えるのです。そして、かすかに羽根と尾がゆれているのが生きている証です。

 病院に連れて行く以外に対策のない私達ですが、横に寝る習慣のない小鳥の足の悪化は病院でもお手上げで、私達は、悲しいながら、「ピー介頑張れ!!」と声援することしかできないのです。

 家族の一員で有り、自慢であり宝であったピー介が、3月31日夕刻、私の手の中で、皆に見守られ静かに眠るように息絶えました。小さな亡骸は、妻と二人で椿とビオラの咲く庭にそっと埋めたのです。

 誠に悲しい!、「こんなに悲しい思いをするのなら、もう生涯ペットは飼うまい」と心に決めました。今、小鳥やの前を通る度にピー介を思いだし、つい、似た羽色のインコを見つめてしまう私です。

 足の痛みを堪え、「ピー介、がんばらなくちゃ!」と言いながら、私達家族に幸せと思いでを残してくれた『ピー介』に感謝し、天国でやすらかな眠りにつけることを祈りつつ・・・合掌。                   

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福島県会津盆地のど真ん中(会津坂下町)かざまクリーニング勤務。 2015年11月と2016年3月、衣類の染み抜き・収納法に関して、FTVみんなのニュースにテレビ出演。衣類の日焼けや脱色の色修正に取り組んでいる。
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