タイトルなし

愛論百科執筆者の中島さんからメールが届きましたので、是非ご覧下さい。
今回は、楽しい話の裏事情についてです。

『ご挨拶』

「挨拶」と言っても、ご近所の方と顔が合って、「こんちは~」
というだけの気軽な挨拶や、お得意さんを訪問して45度に腰を
曲げて挨拶をするようなケースではありません。

今回のお話は、「結婚式、祝賀会、法事」などの際にご指名を
受けて挨拶する場合の心の準備について書いてみます。

もっとも、そのような場でも、「主賓」ではなくて、「乾杯、献杯、
中締め、手締め、万歳」などの役を仰せつかった、言わば、
「脇役」という立場のお話を致します。

主賓には、あらかじめ挨拶をお願いしてあるから良いとしても、
脇役の場合、「実は、中締めをお願いしたいんです。いきなり
では申し訳ないので、事前にお願いをと考えまして・・・」と
参加した会場で幹事さんから依頼されることが多いものです。

「いきなりでは申し訳ないので・・」と言いながら、「いきなり」
に近い状態で依頼されると、「えっ、私がですか・・!」と
動揺しますが、頼まれてお断りすることは出来ないものです。

ま、「中島の中締め」と言われるほど、中締めと乾杯の役を
頼まれる私ですから、いきなりのご指名が多いことは確かです。

で、「引き受けたのは良いけれど、さて、どのようなお話を
したら良いだろうか・・?」と、中締めまでの2時間ほどは
気が休まりませんよねぇ。

活気があるイベントにして、「招待したお客様に大満足を
提供したい」と考えている主催者としては、当然ながら、
「乾杯や中締めの音頭」による楽しい盛り上がりを期待して
いるものです。

で、「乾杯の音頭を頼まれた」ら、ご期待にこたえるべく、
「ビシッ・・!」と決めて責任を果たさなければ失礼に当たり
ますよねぇ。

気が弱くて無口な私の場合、そのことが気になって、
お酒も飲めず料理を食べることも出来ないほどに心が落ち
着かなくなるんです・・(;-;)・。

で、中締めまでは2時間ほどあるからまだ良いとしても、
「乾杯の音頭をお願いします」となれば、主賓の挨拶の次で
すから、言葉と心の準備をする時間が有りませんでしょう。

依頼するほうは、「乾杯や手締めは、ほとんど決まった
言葉なんだから、突然にお願いをしても大丈夫なはず」と
考えるんでしょう。

ですが、乾杯や三本締めで会場に活気が出て印象が良く
なるケースも多いわけで、「イベントを最大限に盛り上げる」
ためには、本来は、脇役の皆さんにも数日前にはご連絡を
差し上げて、心の準備期間とすべきと私は思うのです。

先日、ある祝賀会で私は乾杯の挨拶をさせていただきました。

この場合、1週間ほど前にご連絡を頂いていたので、心の
準備は出来ていたからスムースに乾杯が出来ました。

で、乾杯が終わってから、立食パーティの存じ上げている
皆さんが居られるテーブルに着いたら、知人から、
「貴方の乾杯の音頭は、実に活気があるし筋が通っている
話だから分かりやすくて勉強になります」と褒めて頂いたんです。

ですから、「有難う御座います」とお礼を申し上げました。

そしたら、「昨年の新年会のときの乾杯のお話を今でも
覚えていますが、喋り慣れて居られるから、即興で
あれだけの話をまとめられるんでしょう」と仰ったんです。

ですから、「申し訳ないが、即興ではないんです。実は、私は2分
ほどの乾杯の挨拶の為に、原稿を書いてから黙読して2分間を
確認し、筋書き通りのお話をしているんです」と言ったんです。

そしたら、「えっ、乾杯の音頭のためにですか・・・」と相手の
方は驚いていました。

私の場合、数十時間の話を続けられる話題は持っている
つもりですから、乾杯の音頭の2分はとても短いわけで、
ごく簡単に話せるようにも思われていたんでしょう。

ですが、「たったの2分でも、ご参集の皆さんが200人なら、
400分、合計すれば6時間半の貴重な時間を頂戴して
いるのだから、皆さんのご参考になるお話をしなければ
失礼になる」という考えに私はなるんです。

ですから、ご参加されるメンバーの皆さんの年齢層やご職業、
組織の状態や立場などに加えて、改善して欲しい事柄や
問題意識を持った人間性の向上までも期待してのご参考に
なる話をするために、乾杯のご依頼を受けた段階から
下書きを始めます。

で、2分間という限られた時間に、「どのようなテーマを、
どのように話したらご参集の皆さまが感動し、納得して
動機付けとしていただけるのか・・」と言葉を工夫して行きます。

当然のことに、「早口でまくし立てては内容が通じない」
わけで、「分かりやすく、殆どの皆さんが納得できる話し」
でなければ意味が無いんです。

で、何度かの書き直しの後で出来上がった原稿を元に
お話をするわけで、「2時間の講演を聴いた話よりも、
たった2分なのに、乾杯の挨拶の方に共感した」という
強烈に心に訴え納得してもらえる話が出来ることになるんです。

せっかく、皆さんにアピールできる場を頂戴し、ご自分の考えて
いることを発表できる「乾杯」のご挨拶なのに、よれよれの
音頭とりでは盛り上がらず、事実上は「完敗」になるわけですよねぇ。

私の場合、「皆さんに失礼になるので、同じ会社においては、
前年と同じ話は繰り返さない」と決めていますから、「何処で、
何の話をしたのかメモをしておく・・」のは当然です。

上記の事情で、「式典の当日の会場で直前に依頼されたの
では、場に合う話が即興で出来るわけが無く、誤魔化しの
挨拶しか出来ないので、かなり盛り上がる乾杯が出来たとしても、
私としては満足ではないかも・・」というのが本音です。

で、「ローマは、一日にして成らず・・」というように、
「中島の中締めが会場を盛り上げている理由」が、少しは
お分かりいただけましたでしょうか・・。

今回のお話は、「引き受けた責任と準備の重要性」について
書いたつもりです。

「たったの2分間、されど、貴重な2分間」、ご参集の皆さまに
感動していただけるようなご挨拶を準備されることをメルマガ
読者の皆さまにもお勧めをして、危機管理シリーズ9番目の
「ご挨拶」とさせていただきます・・(_@_)・。
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福島県会津盆地のど真ん中(会津坂下町)かざまクリーニング勤務。 2015年11月と2016年3月、衣類の染み抜き・収納法に関して、FTVみんなのニュースにテレビ出演。衣類の日焼けや脱色の色修正に取り組んでいる。
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2月5日の会津磐梯山
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