翔べ麒麟 (辻原登著)

『天の原 ふりさけ見れば 春日なる
三笠の山に 出(い)でし月かも』

この歌は、日本で作られたのではなかった。
遣唐使で唐に渡った阿倍仲麻呂が異国の地で詠んだ歌。
その阿倍仲麻呂(中国名 朝衡)は、科挙に合格し玄宗に仕えた。
玄宗、いや唐を支える重臣として、その生涯を唐に捧げるのである。

その朝衡も、ときの宰相の陰謀により、唐から日本への帰還命令が下ってしまう。
しかし、帰国途中の沖縄で暴風に会い、遣唐使外・・・でなかった見当違いのベトナムへと流されてしまうのである。
そこからの唐への復活が見事というしかない。
大冒険スペクタクルの一冊であること間違いなし。
(辻原登著 翔べ麒麟)

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福島県会津盆地のど真ん中(会津坂下町)かざまクリーニング勤務。 2015年11月と2016年3月、衣類の染み抜き・収納法に関して、FTVみんなのニュースにテレビ出演。衣類の日焼けや脱色の色修正に取り組んでいる。
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