埼玉のお客さまからカシミアのマフラーが届いた。
実は、他のクリーニング店に出したところ、綺麗にはなったが風合いがなくなりチクチク感がして、首に巻くことが出来ないとのこと。
直接肌に触れない頭にマフラーを巻くわけにもいかないし・・・・
まず、カシミア独特の柔らかい風合いが無くなってしまった原因を考えてみよう。
ドライ液に水分が多く含まれた状態で洗うと、水の影響でウールがフェルト化(繊維と繊維の間隔が狭まり縮んでしまう状態)し固くなってしまうことがある。
たとえば、梅雨の時期など湿気の多いときには、洋服自体に水分が多量に含まれているので、ドライ液にも水分が多くなってしまう。
また、水溶性の染みを除去するために前処理剤で水分を多量に使うと、水溶性の汚れは落ちやすくなるが、そのデメリットとして縮んだり、色泣きしたり、フェルト化したりしてしまう。
つまり、どのクリーニング店に出しても同じ風合いで仕上がってくるわけではない。
溶剤をきちんと管理していないと、上記のようなデメリットのトラブルが生じてしまうわけである。
それで、今回行った第一の作戦は、毛皮洗浄に使う加脂剤を加えたドライ液に浸してみた。
結果は、少しは風合いがましになったがまだまだ。
次に第二の作戦は、アミノシリコン入りの柔軟剤に浸す。
結果は、だいぶ風合いが良くなり、パサパサだったのがしっとり柔らかくなったのだが、チクチク感は以前そのままである。
第三の作戦は、ブラッシング攻撃。
これは、関西の洗剤開発メーカーの社長に電話で教えてもらった裏技である。
そもそもチクチク感というのは、繊維の先端がくっついているために生じるので、それをバラバラにするとチクチク感が解消されるとのこと。
なので、柔らかいブラシで一定方向にブラッシングしてみた。
結果は、んーーー良い感じかも。
もし、クリーニング後、ウールのチクチク感に悩んでいるなら、100円ショップのボディーブラシで表面を軽くブラッシン・グーーーでお試しあれ・
もちろん、購入時すでにチクチクしているものには、効果は期待できないが・・・
ネットde宅配クリーニング http://www.netde-cleaning.com
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福島県会津盆地のど真ん中(会津坂下町)かざまクリーニング勤務。
2015年11月と2016年3月、衣類の染み抜き・収納法に関して、FTVみんなのニュースにテレビ出演。衣類の日焼けや脱色の色修正に取り組んでいる。
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