「 色修正 」一覧

「おまえしかいない。私は、これを渡すために、おまえを待っていたのだ。襤褸のようになった、古い旗だ。「替天行道」と、私が書いた」 「この旗が...

宿へ戻ると、厩に人がいた。馬を盗もうとして、赤雷に蹴り倒されたらしい。 「こいつは、うちの厩から馬を盗もうとしたのだ。うちはこれまでに二頭...

「高求などという男を、まともな話し相手とするか？」 李富も聞燗章も、うつむいて黙りこんだ。 「戦には、陽動という策がある。陽動と見抜いた...

「赤雷」 「えっ」 「名前です。赤雷というのは、どう思いますか、楊令殿？」 「そういえば、雷の音がしていたな。いや、いいと思う。赤雷か...

「湯隆が、凌振の大砲のために打っていた鉄です。これを、衝車の留金にしていたのですよ。曲がってさえいない。硬い鉄だと折れるし、柔らかな...

「凌振よ。人はいつでも、なにか違うものをいくつも抱えて生きておる。俺は、戦がなくなればいいと思っているが、同時に戦がすきでもあるんじ...

「私が、宋江が死んだなら、梁山泊が潰れる。そのようなことがあるものか。われわれの志は、それほど脆弱なものなのか。梁山泊は、総大将が必...

「あれは、妻に惚れきっていた。しかし、それを認めたくない青さも持っていた。この世の誰よりも好きだと伝える前に、張藍は自分のために死ん...

「まったく、この梁山泊というところは、怪物のようなやつばかりいる。きのうは、李陸が来て、板斧を作ってくれと言うし。李陸は、片手で軽々...

「頼むぞ、林沖。楊志の息子のこともな」言って微笑みかけ、兆蓋は林沖に背を向けた。歩きはじめても、林沖の声は追ってこなかった。（北方謙...